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◆新築ワンルーム投資について
よく「この低金利時代に4%の利回りを実現!」などというフレーズで募集している新築ワンルームマンション投資について、よく言い古された話で恐縮ですが、私も絶対止めておいた方が懸命だと考えています。
そもそも利回り4%(これでも良心的な利回りの方、酷い場合は2%とかいうのがありました)というのを冷静に分析してみると、これは表面利回りのことを言っています。表面利回りは年収入÷購入価格を指しますので、例えば7万円の家賃が見込める場合は2,000万円強くらいの物件を購入することになりますよね(7万円×12ヶ月÷2,000万円=4.2%)。
これに加えて購入時に登記に関するお金や保険などの諸経費がかかってきます。新築ワンルームマンションを購入する場合は仲介手数料(物件の3%+6万円)はかかりません。そうすると実際の購入総額は2,200万円くらいになるのではないでしょうか?この時点で既に数%は下がっています。
◆新築ワンルーム投資について2
更に収入についてですが、7万円の家賃だとして、これから管理費と修繕積立金が毎月差し引かれます。管理費は入居者から頂くとしても、修繕積立金は大家が負担しなくてはなりません。だいたい管理費3,000円、修繕積立金2,000円だとしておきます。
更に更に、表面利回りは満室が続いたとしての計算ですので、想定される空室リスクを勘案(例えば甘めに見て90%)し、不動産会社の管理費を家賃の約5%(契約しなくても良いが空室になった時に苦しい)及び家賃の振り込み手数料(例えば500円)を引くと、最終的には表面利回りよりも数%引いて考えないといけません。
更に更に更に投資用ワンルームマンションがよくないのは物件のつくりが比較的ショボいことが多いようです。例えば壁が薄い、コンクリート厚が薄い、鉄骨が薄いなど、入居者を集めるための表面的なつくりは結構備えているのですが、物件としてのつくりが甘いため、数十年経ったときに修繕に苦労すると思われます。投資用新築ワンルームを購入するためにローンを30年くらいで組んだとして、それが終わったときにはボロボロのなんの価値もないモノが残るかどうかといったところです。手放そうにもそんな物件、しかも一部屋だけを購入しようという人なんかいないですよね。
◆新築ワンルーム投資について3
投資用ワンルームマンションは良く見てみると修繕積立金が、分譲タイプのマンションに比べてやたら安いと思ったことはありませんか?これは大家の利益率を上げるために最低レベルのお金しか積み立てないようになっているからです。修繕積立金が少ないと、必要な定期メンテナンスや何か故障したときの大規模修繕などができないことを意味します。
分譲タイプでも物件を魅力的に見せるために修繕積立金を低く設定することがあるようですが、分譲タイプは自分が住むために購入するマンションですので、自分たちが管理組合を設置し、良識ある人たちが自分たちの将来のために適切な修繕積立金を設定するようになるので、だいたいある一定の金額に落ち着くようになるようです。
投資用ワンルームだと、全戸賃貸なので管理組合もまともに設置されず、大家も自分で物件を管理していないため、自分に都合の良いその少ない修繕積立金が継続されてしまうので、いざ大規模補修が必要な時などに行き詰ってしまうのです。
◆新築ワンルーム投資について4
投資用ワンルームマンションの悪口を言えばきりがないのですが、これに加えてサブリースというオプションをつけていることもあります。サブリースは契約すると10%〜20%の手数料を取られるものの、家賃が保証されるというものです。これがついていると契約期間中は家賃が下がるものの満室が保証されるので、安定するというメリットがあります。入居者募集などの手間もかかりません。
しかし、サブリースはローンを組んでいる期間、ずっと契約させてくれるという保証はありません。ほとんど新築の魅力がなくなるや否や(=空室が発生しやすくなった時)、解約を迫られるようにできています。物件的な魅力の劣る投資用ワンルームが唯一おいしい(と思われる)時期がこの新築から数年間です。この時期だけは物件もきれいで苦労しないで入居者が集まりやすいのです。
このおいしい時期に利益を削ってサブリース業者に甘い汁を吸わせておいて、実際古くなり空室が発生するようになった頃にサブリースを解約して空室リスクを大家に押しつける手法は、新築ワンルーム投資業者の王道になっているようです。新築ワンルームを購入する大家さんは私が知る限り不動産投資初心者が多いようですので、空室リスクの恐怖を煽ることでサブリースの契約へ誘導するとのことです。
◆新築ワンルーム投資について5
投資用新築ワンルームマンションの欠点はまだあります。投資用ワンルームの入居者はその仕様からほとんどが独身者となっています。独身者ばかりのワンルームのモラルの低さをご存知ですか?私は実際に自分で投資用ワンルームに数ヶ月住んでいたことがあるので分かるのですが、ゴミ捨て場などは酷い状況でした。管理も数日に一度掃除に来るくらいで、生ゴミの臭いが充満し、廊下は荷物が置かれ、迷惑チラシなども大量にばら撒かれるようなかなり問題のある生活環境でした。
私の住んでいるところは酷い方かもしれませんが、やはり自分のものとして自分が長く住むという目的がない以上、独身者はモラルが下がってくるようです。これは管理が悪いということにも起因しています。管理費や管理は大家の利益を上げるために必要最低限に設定されているので、管理者常勤とか毎日掃除などはされていません。結果、物件としての魅力が下がり、入居者も集めにくくなるという悪循環ができあがります。
投資用新築ワンルームマンションの悪いところばかりを書き連ねてきましたが、これは実際に私が住んでみて、販売業者と接触したりして感じたことですので、他にもモラルの良い、良識的な業者もあるのかもしれません。しかし、概して間違ったことを言っているとは思っていませんので、参考にしてみてください。
◆新築ワンルーム投資について6
最後に、投資用新築ワンルームマンションの良いところとしては、一応新築ですので、耐用年数が長く、ローンも引き出しやすいです。ローンについては業者が提携ローンを用意しているので、与信の低い人でもかなり有利で長期間のローンを使うことができる可能性が高いです。
また、賃貸目的で作られたものですので、表面的には入居者を集めるために魅力的な設備が整っています。例えば浴室乾燥機やバストイレ別、2口コンロ(水周りを強化すると女性にウケます。その代わりにリビングが狭くなります。)を設置したり、監視カメラやオートロックなどの安全設備や、宅配ロッカーなどの独身向け設備など、入居者が表面的にスペックで見れば選ばれやすい設備をちゃんと用意してあります。
しかし、区分所有のマンション投資をするのであれば、やはり程度の良い分譲タイプの中古マンションに限ると思うのです。築数年でも新築プレミアム分は下がっていますので、新築時に必要となる広告費や建築費などの積み上げ式の取引価格ではなく、あくまでもオーナーが設定する価格で取引しますので、必ずと言っていいほど数割安いはずです。
分譲タイプのマンションは、投資用マンションと住み比べてみると、古い物件でもすごくがっしりして安心感を感じます。平たく言うと投資用は薄っぺらいのです。私は何箇所も自分で住んで体験しているので本当によく分かります。大家たるもの表面的な魅力だけでなく、物件そのもののつくりや耐久性、管理などまでしっかりみて投資をしたいものですよね。
◆不動産売買にかかる費用(ワンルーム)
投資用ワンルームマンションの利回りについて、週間ダイヤモンドの4/22号に分かりやすく掲載されていましたので、ちょっとお借りして説明したいと思います。言いたいことは流行のワンルーム投資は、営業マンに説明されるよりもこれくらい余分にお金がかかるので誤解を招く利回り表記であるということです。
モデルケース:都内在住33歳独身サラリーマン、年収700万円、扶養家族なし、35年ローンで港区の新築ワンルームマンションを購入。
@マンション購入
マンション価格
22,000,000
※頭金約5%(120万円)、ローン95%(金利約2.9%)でマンションを購入
■購入時の費用
→マンション管理会社
管理基金拠出金(新築の場合は義務付け)
20,000
修繕積立基金拠出金(新築の場合は義務付け)
100,000
管理費+修繕費2ヶ月分
16,000
事務手数料(管理会社の従業員の経費など)
60,000
→金融機関
ローン保証料+ローン手数料+団体信用生命保険料+火災保険料
350,000
→法務局
登記費用(登記印紙+司法書士手数料)
330,000
→国
消費税(建物1,500万円の場合
750,000
→自治体
不動産取得税
66,000
A初年度(購入時)の諸費用支払額計
1,792,000
■月々の収入と支出
→家賃収入
入居者 家賃(管理会社が入居者から徴収)
97,000
B年間家賃収入額計
1,164,000
→諸費用の支払い
マンション管理会社管理費(マンションを管理・点検・清掃する費用、管理人の費用など)
6,000
修繕積立金(損壊部分を修復する資金)
2,000
管理委託手数料(管理会社への手数料)
4,000
→金融機関
ローン返済(元金+金利)
85,300
→自治体
固定資産税(標準税率1.4%)+都市計画税(制限税率0.3%)×年1回納税。12ヶ月均等割したもの
3,200
月々の諸費用支払い額
100,500
C年間の諸費用支払額計
1,206,000
月々の収支計
-3,500
D年間の収支(B-C)計
-42,000
E初年度(購入時)の節税額
320,000
F初年度の節税額を考慮した最終の儲け分(D+E)
計 278,000
このケースの利回りはどれくらい?
×業者が主に広告などで宣伝する「表示利回り」 B÷@
…かかるコストをまったく考慮していない
5.29%
△業者が主に対面営業で説明する「表面利回り」 B÷(@+A)
…月々のランニングコストを考慮していない
4.89%
○儲けの実態に最も近い「実質利回り」 D÷(@+A)
…購入・運営にかかわる総てのコストを考慮している
0.02%
□節税額まで考慮した「実質利回り」 F÷(@+A)
…減税分まで「利益の一部」と考えた場合の実質の儲け(初年度のみ)
1.17%
◆不動産売買にかかる費用(ワンルーム)2
「不動産売買にかかる費用1」で引用した表の中にもあるように、ワンルームマンション投資の広告には「この時代に4%の利回りを実現!」とか書かれてあることが多いのですが、ここで謳っている利回りは「表示利回り」であって、このケースだと5.291%になっていますね。これくらいであればよく見かける利回りです。
ところがこの「表示利回り」には購入時にかかる諸費用がまったく含まれていません。自動車でも購入するときには自動車税とか保険とかいろいろとかかってきますよね。これを全然考えていないのと一緒です。
自動車の時は200万円と表示されているクルマを200万円きっかりで購入できると考える人はいないと思いますが、なぜか不動産は200万円で手に入れられるような気になるから不思議です。普通の人はそう何度も購入する経験がないからかもしれません。
このケースだと初期費用が約180万円かかっていますから、2,200万円の物件に対して約8%も余分にかかっていることが分かります。この分はもちろんローンに含まれませんから、物件の頭金の他に現金で持っておく必要があります。
◆不動産売買にかかる費用(ワンルーム)3
また、このケースでは「表示利回り」に初期費用を含んだ場合でも約4.9%というまあまあの利率を誇っているようですが、これには月々のランニングコストを含んでいません。更には空室リスクやその他の軽微な費用が含まれてないため、まだまだ信頼できる数値ではありません。
実際にこのワンルームを運営した場合のキャッシュフローのシュミレーションをしてみます。「B年間の家賃収入額計(=収入)」から「C年間の諸費用支払額計(=支出)」を差し引いた額をよく見てください。なんと42,000円のマイナス(=赤字)になっているではありませんか!
これに加えて仮に1ヶ月の空室が発生したら、その年のキャッシュフローは42,000円+97,000(1ヶ月の家賃相当)で、計139,000円の大赤字になってしまうのです。まあどんな物件でも10%程度の空室リスクは見込んでおくべきだと思いますので、経営すればするほどお金が出ていくという物件を業者は「5%の利回り!」とか言って、知識のない一般人に売り込んでいるわけです。
◆不動産売買にかかる費用(ワンルーム)4
更に言えば、だいたい投資用のワンルームマンションで得られる想定賃料というのも眉唾ものでして、これも販売業者が用意しているものなのですが、その近辺の家賃相場の最高値を使っているようです。要は「そんな高い家賃じゃ貸せないでしょ!?」という金額が提示されています。
これはその土地のカンが養われればすぐに見抜けるのですが、たいがい数千円高く設定されています。業者に言わせると「それで借りている人がいるので大丈夫です」と言うのですが、まず無理だと思います。これを防ぐためには必ず近所の不動産屋に家賃相場の照会をかけるようにするといいと思いますね。もちろんインターネットでもだいたいの相場がつかめますのでそれでもOKです。
そのように業者が言っているだけのものを高い金とリスクを背負って購入しなくてはならないのか、甘言を少しずつ剥がしていくと、新築ワンルームマンション投資の危険性があらわになってきます。
◆不動産売買にかかる費用(ワンルーム)5
では、業者はこの疑問(赤字とリスクを背負ってまで投資すること)に対してどのような切り返しをはかってくるのかというと、赤字に対しては「損益通算で節税になるのです」で対抗しますし、リスクについては「ローンが終わったら物件が残って家賃=収入となります」で対抗してきます。
恐らくは営業マンがちゃんと理解していないのだと思います(そう信じたい)。そうでなければ本当に詐欺と言っても過言ではないですから。確かに初年度は先に引用したケースでは年間32万円の節税ができていますが、次年度以降はそう大きな金額が期待できないわけです。まあ少々の節税はできますが、それ以上にキャッシュアウトが見込まれるので、結論から言うと大損なのです。
ここで声を大にして申し上げたいことなのですが、
節税=損が出ている
ということを忘れないでください。
物件を持つことで節税ができるということは、長期間損が出続けるということと等しいわけです。われわれ普通のサラリーマンがそんなに大量の税金を払っているわけではありませんよね。損益通算したところでたかが知れているのです。
◆不動産売買にかかる費用(ワンルーム)6
新築ワンルームマンション投資の悪口もこれで最後にしたいと思います。営業マンが使う2番目の売り文句、「ローンが終わったら物件だけが残って家賃=収入となります」というやつですが、これについては言わずもがなだと思います。
先のケースではローンの設定が35年になっていました。仮に順調に返済が進み、完済したとして、35年後のワンルームマンションの価値はいかほどあると思われますか?経理的に言うと、鉄筋マンションであれば減価償却期間が47年間あるので、25%程(47年-35年=12年)の価値が残存していると思ってよいでしょう。但し建物のみですので、単純に金額に直すと340万円程度かと思います。
しかし、実際の市場での価値で言うと、築35年というと2006年の現在で例えると1971年築の物件に等しいのです。設備や配管なども旧式で修理やリフォームが必要となる時期ですし、当然賃貸市場では古いため競争力が下がっている状態です。
つまり賃料は下がって、追加投資が要求されるので、結局はローンがまた数年続くのと同じような状態になると思います。無事に手放すまでいつまで経っても終わることのないキャッシュフローとの戦いになるように思えてしかたありません(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)。
新築ワンルームマンション投資をやろうと意気込んでいる方がお近くにいらっしゃったら、是非このサイトを教えてあげてください。私は自ら独身向け新築マンションを購入して、実際に住んで、更に賃貸にまわし、そして売却しました。更に自ら投資用ワンルームに住んだ経験もありますので、業者の対応も良く分かります。この経験は本当に共有したい!
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