◆不動産投資初期に選ぶべき物件
不動産投資に向いている良い物件というものは、一戸一戸違うため一概に言えないと思うのですが、私が今まで体当たりで体験してきた中で感じたことをお教えします。
1:不動産投資初期に選ぶべき物件
少々古い物件でも構わないので、まずは「不動産経営をしている」という実績を作ることが大切だと思います。これは精神論ではありません。どうやらこの業界は不動産物件を持っているという実績が、次の良い物件を手に入れる前提条件であるという印象があるのです。つまり一足飛びにいきなり良い物件に出会うことはほとんどないように思えます。うまく説明できないのですが、例えば金融機関などでも、一件目のマンションの時は融資を引き出すにもすごく苦労をしたのですが、保有物件が増えれば増えるほど融資を受けやすくなりました。
さて、まさに始めての物件として選ぶべきものは広いワンルームか1Kくらいのマンションだと思います。ファミリー向けのものは投資金額の割には収入が少ない傾向が強く、初めての方向けではないと思います。(キャピタルゲインを狙う場合は別ですが)
※キャピタルゲイン=物件を購入し、その物件を売ることで得られる売買差益のこと。
※インカムゲイン =物件を保有しその物件を貸すことで得られる賃料収入のこと。
→私はリスクヘッジのためにキャピタルゲインを意識しつつ、インカムゲインで生きていこうと思って不動産投資をやっています。
◆最初はワンルームか1Kのマンションが良い理由
不動産投資の最初はワンルームか1Kくらいのマンションが良いと思っているのですが、いろんな理由があります。
@不動産業界では、物件を保有しているということ自体が、次の良い物件に出会う前提となっていることが多いこと
A不動産経営をしているということが、金融機関から融資を引き出しやすくする条件であるように思えること
B金額がもっとも手軽で、空室の時もなんとかサラリーマンの給料の範囲内でリスクを負うことができること
C地理的に優れた物件を選ぶことができるので、古い・狭いなどの資産価値が低いにも拘らず、収入はそれなりに確保できること
などなどが挙げられる思います。
@、Aについては、精神論的な話に聞こえるでしょうから、私も好きな話ではないのですが、やはり不動産業者も金融機関の融資担当者も人間ですから、実績のある人にはそれなりの対応をするということなのではないでしょうか?はっきり言って不動産投資に関わる人たちは、素人をなめてかかるというか、甘く見たり、出し惜しみをしたりする傾向があります。だから最初の最初が本当に一番難しいのです。
Bについては、例えば銀行の返済が月5万円だとすれば、空室が出たときに負うリスクも月5万円になります(税金や管理費積立金などもありますが)。これがファミリー向け物件投資をして月12万円の返済だとすれば、普通のサラリーマンにはひとたまりもありません。やはり複数の物件を持つことで、空室リスクを分散しリスクヘッジができるまでは、サラリーマン収入で堪えられるレベルの物件にしておかないと危険だと思います。
Cの話は難しいのですが、築年数が経っていたりすると、物件の価値が下がります。しかし賃貸に出すと、築年数が経っていても中がきれいだったりすると新築物件とそれほど賃料が変わらないのです。ここが市場価格の歪みというかミソなのですが、少ない資金で物件を購入でき、得られる賃料はほとんど同じというおいしい状態が生まれるのです。もちろん古いという欠点はそれなりにあるのですが。
◆古い物件でも良い理由
少々築年数が古くても良いというのは、具体的に言うと1982年以降の物件であれば良いと思っています。つまり昭和57年以降築であれば良いという意味です。私は不動産投資を始めた最初の頃はこのことを知らなかったのですが、1981年6月に建築基準法が改正され、新耐震設計法に変わったのです。区分所有の物件は地震などで壊れた時の対処が一番面倒ですし、物件が壊れてもローンだけが残るので、知ってからは物件を選ぶ際、これだけは守ろうと思いました。
■地震で倒壊の建物の画像
http://www.hazama.co.jp/renewal/renewalg/13.html
※右の表を見てみてください。怖いですね。
私は2件程法改正以前の物件を所有していますので、時が来たら手放したいと思っています。しかし、この2件の古い物件も特に不具合もなく、新築とほとんど変わらない収益を安定的に生んでいますので、古くて安くて良い物件を選ぼう理論は正しいように思えます。
◆良い物件の条件1:主要駅から近い
まずは古いワンルームか1Kくらいの物件を安く購入するべきだと言いましたが、賃貸でお客さんに選んでもらうには、古い物件は新築にはかないません。古さを補って余りある選ばれやすい物件を選ばないといけないと思います。経験上、古くても選ばれる良い物件というものは、
@主要駅から近いこと
Aそれなりに広いこと
Bできるだけ風呂・トイレ別であること
C部屋が明るく、それなりに機能が揃っていること
Dなにかひとつ選ばれるためのワンポイント(売り)があること
だと思います。
@の主要駅とは、大学や会社が近くにあり、それなりに乗降客数が多い駅になります。この法則は地方でも変わらないのではないでしょうか。
■乗降客数の図
http://www.azabutsushin.co.jp/html/joukou-jr.html
※乗降客の多さ≒お客さんの多さです
駅からは3分以内であれば、選ばれる強い要素となる気がします。かつて首都圏の駅徒歩30秒という物件を持っていましたが、うるさい場所であるにも関わらず空室が長かったことがありません。でもなかなかそういう物件は見つからないので、徒歩5分以内を目標にしたいです。よほどの優れたポイントが無い限り、徒歩10分を超えないようにすると良いと思います。
主要駅から近いということは、おおよそ買い物や生活にも便利ということになります。ひとつ陥りがちなマイソクでは分からない重要なポイントとして、駅徒歩3分でも、駅のマイナーな出口から数えて3分ということもありますので、必ず駅までの最短距離を歩いて確認しなくてはいけないと思います。
事例として、私が保有するマンションのひとつに駅徒歩4分というなかなか良い物件があるのですが、地下鉄ですので物件に一番近い出口前には出口以外ほとんど何も無いという状態です。お店がたくさんあるメジャーな出口までは徒歩6分ですので、日常そちらの出口は使いません。静かでいいのですが、その数分の差は物件の競争力に影響する可能性が高いので、要注意だと思います。
◆良い物件の条件2:それなりに広い
長く住むところですので、やはり狭いよりは広い方がいいに決まっています。幸運なことに20年位前の物件はやたら狭くして収益を上げようというつくりではなく、案外広くておおらかな物件も多いので選択の余地があるように思えます。最近のワンルームは17平米を切るものも結構あるので、優良な入居者を引き寄せる競争力のある物件としては、20平米くらいが入居者から見てボーダーになると思います。私が基準とする古くても広い物件とは、具体的に言うと、23平米を超えていればなお良いと思っています。
また、油断ができないのがロフトです。これはマイソク(不動産物件を紹介するチラシのこと)上は平米数に数えないのですが、実際に入居希望者が内見する際には、ロフトは居住スペースとしてカウントしてくれます。ですので、20平米以下であっても、広いロフトがあればそれは”買い”になると思います。
更に広さということでは、ベランダも何故かある程度は居住スペースとしてカウントしてくれるようですね。すばらしいベランダがあると、決め手のひとつになるようです。
実例として、私は事情で買わなかったのですが、18平米くらいの部屋に13平米くらいのベランダのある物件に出会ったことがあります。そこで生活することを想像すると何故かウキウキした気持ちになり、この物件で住みたい!と思わせるには十分なインパクトがありました。ベランダなんて住んでみると実際は全然使わないと思うのですが。
◆良い物件の条件3:風呂・トイレ別
風呂・トイレ別というのは、選ばれる物件としてかなり有力なフィルタになっているという事実があります。風呂・トイレ別だけの物件を扱っているサイトや不動産屋もあるくらいです。最近の新築ワンルーム投資会社が作るマンションでは、ほとんど確実に別仕様になっているようです。
独身向け賃貸マンションにおける、20年位前の物件と、今のトレンドの一番の差は水周りにあると言っても過言ではありません。昔のマンションはとにかく居住スペース(リビングなど)が広ければよいという考えで作られているようです。一方、現在のトレンドとしては、居住スペースはそこそこにして、風呂・トイレ・キッチン・洗濯場・洗面などの水周りの空間を広く豪華にする傾向があるようです。

※20年位前の物件の図面例。居住スペースが広くて、水周りの機能面がかなりコンパクトに作られているのがわかると思います。洗濯機置き場などはベランダですし。
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※現在の新築物件の図面例。風呂・トイレが分かれていて、更には洗濯機置き場まで室内に完備されているのが分かります。居住スペースが6畳とは…狭いですね。
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この傾向は女性で特に顕著です。良い入居者を集めるためには風呂・トイレ別である方が有利であることは間違いないと思われます。
◆良い物件の条件4:部屋が明るく、機能が充実していること
当たり前かもしれませんが、やはり”住む”ところなので、明るくてきれいに見えるところの方が競争力が高いです。例えば窓が2面、3面採光であったり、風呂に窓があるなど、とにかく光が多く入ってくる方がイメージが良いと思われます。
具体的な例としては、当時、マイソク(物件のチラシ)で渋谷駅徒歩2分、25平米で1,000万円を切るというかなり条件の良い物件を見つけたことがあるのですが、実際に物件を見てみると、お昼なのに入ったとたんに部屋真っ暗。手探りで電源ブレーカーを上げ電気を点けてみると、窓からほとんど光が入っていない状態でした。すりガラスの窓を開けてみると、隣は背の高いビルの壁になっていて手を伸ばせば届くくらいの距離でした。こんな不健全な明るさの部屋はなかなか住めないと思いました。実際に見てみないと、本当に図面だけでは物件というものは分からないなぁと良い勉強になったと思います。(今思えば、このマンションは法人向けに貸し出すべきものでしたが)
ちょっと暗い部屋を購入する際の裏技として、渋谷の不動産屋に聞いた話なのですが、内見に来た入居希望者に明るい部屋であるというイメージを持たせるために、玄関の電球をやたら明るいものに取り替えて、壁を真っ白にしておくと良いとのことでした。これは試したことがないので分かりませんが、確かに白い部屋は明るく感じることは確かです。
不動産屋「白い壁の汚れは出るときに入居者に払ってもらえばいいし、一度決めてもらえば生活するには暗いくらいじゃ出て行かないさ。」
というコメント。うーん、確かにそうだと思いますが、私はそこまでアコギに考えられない…と感じます。
機能が充実しているという条件なのですが、これは簡単なことで入居希望者に減点されないための条件という程度の話です。条件に当てはまる数が多いほど有利ですが、決定的である可能性は低いです。例えば、洗濯機置き場がある、ガス台が使える、ベランダに出られる、コンビニが近い、自転車置き場がある、安全な鍵が使われている、収納が多い、家具がついている、インターネット対応、CATV対応などなどです。これらの機能については後ほど細かくお話したいと思います。
◆良い物件の条件5:「売り」があること
物件の「売り」があることで入居者に対して、ファーストインプレッションを良くする(物件に興味を持ってもらうためのフックになる)ことができ、更には最後の決め手になることもしばしばなので、投資物件を選択する際に参考にしていただければと思います。ワンポイントがある物件は強いです。
例えば、ベランダが非常に大きいなどもひとつのポイントです。私が持っている物件の中でもマンション最上階(と言っても4階ですが)角部屋で、2面が総てベランダというものがあります。見晴らしも良く気分が晴れやかになる良いベランダです。賃貸の仲介をしてもらった業者から、「マイソク(チラシ)にある図面に描かれている大きなベランダに興味を持って内見した」というコメントが数件あったとのことでした。
また、他の物件では駅徒歩30秒で、10階にあるワンルームなどは、電車の音がかなりうるさいのですが、ホテル並みの広がりのある眺めで、カーテンを開けっ放しにしても外からの視線が全く気にならないほど視界が開けています。ここは入居者が出て行ってもあっという間に次の希望者が出てくる優良物件でした。こういうところは不動産投資が始めての方にお勧めしたい典型的な物件です。
他にも、部屋が四角くなかったり、面白い段差があったりするなど、ちょっと変わった間取りの物件(実は面倒で住みにくいのですが)や、床下収納やロフトがついていたり、専用のロッカーがある、セキュリティ設備や暗証番号鍵があるなど、実際に物件を見てここは面白い!と思ったり、興味を惹かれたところのある物件は、入居希望者が見てもそう思い、人気のある物件だと思います。
◆良い物件の条件:まとめ
このように、まずは不動産投資を始めるに当たって選ぶべき物件として、
1982年以降のちょっと築年数の経っている、ワンルームか1Kのマンションで、
更に5つのポイント
@主要駅から近いこと
Aそれなりに広いこと
Bできるだけ風呂・トイレ別であること
C部屋が明るく、それなりに機能が揃っていること
Dなにかひとつ選ばれるためのワンポイント(売り)があること
を、それなりに満たすものが良いと考えるわけですが、どれもこれも満たしている物件は当然、なかなかめぐり会えません。
私はこれらの条件をレーダーチャートのように捉えて、どこかの欠点をどこかの美点が補っている状態であれば良いと考えています。比較的安い築年数の経った物件でも、空室になりにくい強い物件は、長く確実なインカムゲインを生むだろうと信じています。良い物件は今でも大切に保有しています。
また、他に注意するべきポイントとして、マンションはRCかSRC造りのものでないといけないです。それ以外の構造の物件はあまりないでしょうけど。
http://www.wendy-net.com/faq-new/12/Q-192-1.html
※RC,SRCとは?
今ではワンルーム系の物件をあまり買うことはなくなりましたが、暇を見つけてはインターネットの物件検索で脳内ワンルーム投資(ただの購入シュミレーション)をやっています。勝手に評価して、買いだなとか雑魚だなとか思って楽しんでします。
◆表面利回りの計算
インカムゲインを狙う賃貸用不動産物件を検討する際に絶対に必要となる考え方として、表面利回りというものがあります。表面利回りとは、その物件がどれくらいの利回りを実現できるかを想定賃料と物件価格から割り出すというものです。大雑把に計算してある程度の価値があると判断されれば、あまり詳しく知らなくても良いと思っています(投資を始めるに当たってはの話ですが)ので、まずはサラリーマン大家になるために必要最低限をお教えします。
表面利回り=年間想定賃料÷物件価格×100 になります。
月10万円の賃料で、1,200万円の物件価格あれば、10万円×12ヶ月÷1,200万円となるので、0.1となります。これに100をかけると10%という表面利回りが計算されるのです。
※バカ丁寧に書いてあるのは、最初、私がうまく理解できなかったからです。当たり前と思う方は読み飛ばしてください。
初めて手がける物件であれば、例えば月4万円の賃料で物件価格400万円くらいだとすれば、4万円×12ヶ月÷300万円となるので、0.12となります。これに100をかけると12%という表面利回りになりますよね。実は表面利回り通りに運用されることは絶対無くて、これに諸経費や税金、金利、管理料や修繕積立金、更には空室による収入ロスなどが入ってくるので、本当はこれも鑑みなくてはいけないのですが、まずは物件探しのためであれば、表面利回りで値段の妥当性を判断するというのが、基本中の基本であると思います。
◆利回りについてどう考えるか
普段目にするワンルームマンション系の物件であれば、表面利回りを計算するとだいたい8%から12%くらいに収まると思われます。何%以上なら良いかとは一概に言えませんが、無理矢理決めるのであれば最低でも8%くらいを超えるようなものにしたいと思います。何故かというと、各種費用(税金、修繕費、空室リスクなど)がかかってくるため、ある程度の余裕が必要となるからです。
よくチラシなどが入っている新築のワンルーム投資物件の場合、これが利回りが3%くらいになっていることもしばしばです。しかし3%くらいだと、諸経費を差し引くとほとんど確実にマイナスになっていますので、サラリーマンの副業としての不動産経営者としては、避けるべきだと思われます。売り文句である節税できる金額よりも、保有するリスクの方が大きいと思います。別の項でも書きますが、新築を購入できる金額があれば、程度の良い中古が何件か買えてしまいます。(せっかくの新築を人に貸すなんてもったいない…)
一方、あまり高い利回りを誇る物件も少し疑ってかかった方が良いです。よく20%以上の高利回り物件しか買わないと豪語する投資の達人もいらっしゃるようですが、不動産にも市場価格というものがあり、一般に出回る物件で15%くらい出ている物件は、田舎であったり、借地権であったり、再建築不可物件であったり、または極端に古いなどのリスクが潜んでいることが多いように思えます。
世間の不動産投資の達人(?)の言うやたら利回りの良い物件を買ったというのは、競売前の任意売却という物件を手に入れた場合や、本当に運よく市場に出回る前の物件の情報が入ったからというのがほとんどなはずです。私たち一般サラリーマンは、はじめての物件で運よくそういうのに出会う確立はほとんど皆無ですので、怪しいタナボタを狙わずに安全・着実に実績を積んでいきましょう!
※利回りについては東京近郊での話です。地方に行けば標準的な利回りはもっと高いことも少なくありません。
◆安定不動産は必ずしも高利回りではない
私の不動産投資戦略として、長期安定投資というスタンスを取っていますので、あまりリスキーな物件は避けたいと思っています。もちろん購入するからにはできるだけ安い方がいいに決まっているので、15%を超えるような高利回り物件にはすごく惹かれるのですが、インターネットに載っているような市場価格がつけられている物件で高利回りなものは必ず何か理由があります。(不動産業者が間に入っているので当たり前ですよね。良いものは関係者が手を出しているはずです)
今までに見た高利回り物件に潜んでいるリスクの例として、借地権である場合がありました。
http://www.hatena.ne.jp/1098757591 ※借地権とは?
物件が所有権ではない、つまり、土地が自分の持ち物ではないものです。定期的に地代というものを地主に支払う必要があるのです。また、定期借地権であれば、一定期間が過ぎれば必ず土地を返還しないといけませんので、それまでに完全に元を取っておく必要が出てきます。アパートやビルなどの借地権の場合は、地主が土地の売却を建物の所有者に打診してくることがあるので、ちょっと作戦が変わってくるのですが、ワンルームなどの区分所有物件であれば、かなり面倒になると思いますので、長期保有の場合は避けた方が得策だと思います(売却も難しいですし)。
他には再建築不可物件というものもあります。分かりやすい例としては、建物の間口がとても狭い(2メートル以下)場合などが挙げられます。他にも理由はいくつかあるようですが、こういう物件はもしも壊れたりした場合、再度同じものを建築することができませんので、相当のリスクとなると思います。また、それを逆手にとって、将来間口が拡張されて再建築可能になるなど、先を見越して一戸建て物件などを購入する場合は、物件の価値が大幅に上がりますので、成功すれば一発逆転のナイスな作戦となり得ます。
また、古い物件も利回りが上がる傾向にあります。1960年代築という私がまだ精子にすらなっていない時の物件などは20%を超えていたものがありました。ここまでくるとさすがに長期保有という意味で怖いので避けねばなりません(耐震を考えて1982年以降の物件にしようという作戦を先にお話したと思います)。
私は、あまり高利回りな物件でないとしても、長く安定的に家賃を稼いでくれる物件を求めていますので、ほどほどの利回りで且つ賃貸で人気のある物件を探していきたいと思います。
※高利回り≒投機的物件(安い理由が何かある)
◆とどめに指値をする
利回りなどは、ほどほどで良いとお話しましたが、それでも安く買えれば安い方がいいに決まっています。間違いない物件であると思ったら、購入する際に「買付証明書」
http://allabout.co.jp/glossary/g_estate/w002093.htm
というものを書くのですが、ここでとりあえず指値を入れてみましょう。
指値というものは、例えば物件の価格が420万円だったとすると、買付証明書に「購入希望価格:400万円」と書くということです。先方も定価のない物件を現れるか分からない購入希望者に売ろうと思っているので、それなりに不安を持っているのです。ですので、20万円マケてくれたら買ってもいいよ。という意思表示をしてみるのは手だと思います。
もちろんこれで売主が420万円じゃなければ売らないということもありますし、他の購入希望者が420万円で購入するという意思表示をしたとなれば、競り負けてしまいますので、買い逃しても構わないという度胸も必要になります。
だいたい物件の売却価格にはこの指値が織り込まれていることが多いです。例えば938万円という物件があれば、購入者から値切りが来たらまず8万円を値切っても良いと売買の仲介業者に伝えていることが多いです。更に値切り交渉をされた場合、仕方ないから38万円まで値引いても良いということになっています。つまりこの物件の売却希望者は最初から900万円で売れれば良いと思って、この売買交渉に臨んでいるということになります。キリの良い値で指値するのはテクニックだと思います。
また、指値の際には物件の問題点を指摘して、勝手にその不利益額を値引いてしまうというテクニックもあります。例えばドアがガタつくからリフォーム代として10万円引いて欲しいとか、エアコンが古いから新しく購入するので5万円引いて欲しいとか、そういう感じです。もちろんエアコンは古くても使えればそのまま使って構わないので、単純に5万円の値引きとなります(後日、本当に壊れて購入するかもしれませんが)。
ちょっと心理戦になりますが、こういうテクニックを駆使して、少しでも安く物件を買う努力が、私たち収入の少ないサラリーマンには大きな利益となるのです。
◆不動産投資、初期の進め方
私がやってきたことが最良とは思えませんが、相当いい線を行っているのではないかと思っています。最近の1年くらいは会社でも異動があったり、いい物件にめぐり合えなかったりだったので、あまり物件を増やせませんでしたが、不動産投資を始めてからの3年間は本当に勉強しまくり、買いまくりということで、充実した日々だったと思います。お陰で一人前といわれる3回目の決算を迎えることができました。
まったく初めての方もいるかと思いますので、私流の不動産投資の始め方〜育て方までを書いておきたいと思います。
1:万一に備えて、信用枠を確保する(無担保ローンカードで)
2:優良なワンルーム(または1Kクラス)マンションの物件を探す(1,000万円以下)
→自分が信用できると思う不動産業者以外からは買わないこと。
3:近くの信用金庫か信用組合に相談を持ちかける
4:購入の際にはここに書かれている細かいテクニックを駆使する
5:購入ができたら、すぐに次の物件を探し、購入する
6:数件保有して安定したら、夢のアパート購入に挑戦する
といった流れでどうでしょうか?
数件ワンルームを持つことで安定的にキャッシュフローを手に入れることができるようになり、金融機関もそれを収入としてみなしてくれるようになります。ただし、担保としてはあまり有効ではないのでご注意ください(数百万円くらいの共同担保を入れることができることもあります)。1件だけだと、空室が発生した際に他の物件からの収入で補うことができないので、非常に不安定な状態です。なるべく早く数件持つようにしましょう。数件持てば、ここでとうとう普通のサラリーマン以上の信用を得たことになります。
利用実績により、無担保ローンカードの枠も大きくなり、一度に動かせるお金の額も大きくなっているはずです。また不動産業者や金融機関などの知り合いも増えていることでしょう。市場に出る前のおいしい物件の情報も少しづつ入ってくるようになり、確実にコツも飲み込めているようになっています。
そうすれば数千万円台のアパートクラスへのチャレンジをしても、あまり怖いことはありません。だまされることも少ないでしょうし、相場感も身についていると思います。ワンルームは利益を取ったと思ったら値下がりする前に売ってしまっても良いですし、減価償却期間内であれば、持ち続けていても良いと思います。
目標はここまでで1年半です。サラリーマン収入が1千万円を超えているようなすごい方は、1年とかからないでしょう。
◆脳内投資とはなにか?そのメリット
実際に投資をするにせよしないにせよ、やっておいて損がないのが「脳内投資」です。脳内投資とは実際の行動を起こさずに頭の中だけで不動産投資を行い、シュミレーションをしてみることをいいます(わざわざ説明するまでもないかもしれませんが…)。私の場合は不動産投資に興味を持ってから実際に購入するまでに、会社で暇な時間を見つけてこっそりと趣味で脳内投資をやっていたのですが、結果的にカンを養うのに役立ちました。
脳内投資をやってみると2つの優れた効果が現れます。私が実際にやってみて得られたものをご紹介します。まずひとつめはモチベーションアップです。脳内投資は各種の条件がいくらでも設定可能ですので、この投資をすると月々3万円のお小遣いアップだなとか、10年経てば合計500万円の利益だなとか、そういう皮算用を通じて、不動産投資への憧れというかモチベーションを上げたり、またはモチベーションを維持することができます。将来像などもおぼろげにバラ色かかって見えますので、毎日が楽しくなります。
ふたつめがとても重要なのですが、不動産投資のスキルアップになります。投資を実際にやっているわけではないので、程度は限られますが、少なくとも私が感じた効用として、カンが働くようになりました。カンというのは大雑把な表現ですが、例えばどれくらいの利回りなら高いか安いか、物件の概要を見た瞬間に判断することができるようになりました。他にも数多くの物件をシュミレーションすることで自分なりのフィルタを作ることができ、物件の絞込みや業者の言っていることがホンネか営業トークかを判別する手助けにもなっています。
暇つぶしレベルで構わないので脳内投資をやってみると、本当にいいことずくめなので、これから投資を始められる方は、特にやってみた方がよいと思います。
◆実践!脳内投資のやりかたの例
分かりやすい脳内投資の例として、ちょっとインターネットで探してみた物件を使って、私の脳内投資のプロセスを丁寧に公開してみたいと思います。例えば良く使っている投資HOME'Sというサイトあたりから投資用中古ワンルームマンションを検索するとします。まずは駅や地域(選び方は以前に書いた「主要駅から近いこと」の頁を参照)を絞ります。次に金額や築年、駅徒歩時間などで絞込みを行い、だいたいのあたりをつけます。利回りはかなり後でいいです。
大学近辺の2線が交わる主要駅から徒歩5分の学生向けワンルームがありました。あまり行ったことのない駅ですが立地的には良さそうです。スペックは物件価格520万円で築11年、22平米でした。既に入居しているオーナーチェンジ物件です。月額家賃は54,000円です。この物件が高いのか安いのかを知るために大雑把に利回りを計算してみます。計算方法は以前書いた「表面利回りの計算」にあるように、月額賃料×12ヶ月÷物件価格でしたので、月額家賃54,000円×12ヶ月÷物件価格520万円=0.1246…→約12.5%ということになります。築年数がそこそこ浅いので、東京近郊であることを考えると結構お買い得といえる金額ではないでしょうか?(めだった欠点はバストイレ別ではないことくらいです。
次にローンの計算をしてみます。
ローンシュミレーター(例えばe-loanのシュミレーター:http://www.eloan.co.jp/simulation/index.html)を使って計算してみると、仮に満額520万円借りられたすると、返済期間10年で利率が4%だとすると…、月々の返済が52,647円となります。月額賃料から差し引くと月々に残る金額が1,353円にしかなりません。税金や諸経費を含めるとこれではさすがに投資としてなりたちませんので、
この物件を投資として成り立たせるためには、
@頭金を入れる
A返済期間を延ばす
B物件の購入金額を下げる
などが、主な対策になると思います。
@例えば150万円頭金を入れると、月々の返済は37,460円です。これなら16,540円残るのでなんとかなりそうです。
Aワンルームではあまりやりたくないですが、返済期間を延ばすとどうなるかやってみます。仮に15年で返済してもよいということであれば、月々の返済は38,463円でした。これなら15,537円残るので、これもなんとかなりそうです。
B物件の購入金額を下げるとどうなるか?例えば520万円の内、20万円が端数ですので、これを値切ってみます。そうすると物件価格500万円となりますが、満額ローン組めたとしても月々の返済は50,622円ですので、差し引き3,378円しか残りません。480万円まで値切ったとしても月々の返済が48,597円ですので、ちょっと厳しいと言わざるを得ません。
こう考えてみると、この物件は築浅であるせいか、全額借入で10年で回収するには利回りはいいのですが実行するにはちょっと高いように思えます。この例では諸経費は抜いていますが、結構かかるので投資はむずかしいですね。プラスマイナスがとんとんであり、ローンの返済が無事に完了すれば儲かるという代物でした。
◆有利な投資用物件情報の探し方
私の場合、投資用の物件情報はほとんど不動産業者からの個人的な紹介から得ています。マイソクやインターネットで広まっている物件情報で良いモノは必ずライバルがいるはずです。しかもそのライバルは多くの場合、私よりもいい条件であることが多かったです。例えば現金でポンと一括払いしたり、売り手の言い値で購入するなど、頭金も用意できないいわゆる貧乏投資家の私とは勝負にならないのです。
ほとんど全額をローンでまかないたい私たちサラリーマン投資家は、なんとかして一般に出回る前に物件情報を押えたいと思います。一般に出回る前とは、売り手が不動産業者に相談に来た時点でまだマイソクも作っていない段階のことです。不動産業者もいちいちチラシやインターネットに登録する手間も費用ももったいないので、手持ちの客がいればその人に売り込みたいと思っています。
不動産業者にとって手持ちの客とは、ある条件の物件を購入したいと考えていて、その旨を不動産屋に伝えている、要は「待ち」状態にあるお客さんのことです。「いい物件があれば声かけて」というやつです。まずはこの状態になることを目標にしましょう。
◆有利な投資用物件の探し方2
不動産業者に「いい物件があれば声かけて」と言っても、業者はあまりピンとこないと思います。「了解しました」とは言ってくれるでしょうが、いつまで待っても連絡は来ないはずです。自分にとっていい物件とはどういうものか、自分がどういう状況の客かを不動産屋に分かってもらわねばいけません。
私の場合は、まだまだ若造で金持ちでもないですので、頻繁に不動産屋に出入りし、パソコンを懇切丁寧に教えるなどギブもしっかりやっておきました。そのうちに雑談する時間ができ、貴重な不動産のノウハウなどを聞くこともできましたし、同じような流れで業者に持ち込まれて間もない情報を自然と手に入れることができました。
また、今、自分が手に入れたいと思っている物件についても、雑談の中で結構はっきりとしゃべってきました。ある時はアパートというやつを持ってみたいという話をしました。その後、業者の記憶に少し残っていたためか、たまに情報が回ってくるようになりました。
まず、未公開物件情報が回ってきたら、業者に「あ、あの人にまず紹介しよう」と想起してもらうような仕掛けを作ることがとても重要です。もちろんこの段階の情報には玉石入り混じっていますのでデューデリジェンス(物件の詳細について投資の可否を判断するための基礎調査)が必要になりますが、金持ちでない限り、未公開物件情報を手に入れる肝はやはり人脈力しかないと思います。
◆有利な投資用物件の探し方3
未公開物件情報については、一般に公開されている情報(※)よりも金額的にも条件的にも比較的有利なことが多いと感じます。売り手は多くの場合、相場を知らないため、業者に適切な金額を相談するようです。ある意味、売買金額は業者が相場を見て決めていることが多いようです。
※一般に公開されている情報とは物件情報を業者間でシェアするためのシステム「レインズ」に登録されていたり、チラシやインターネットで不特定多数の相手に商売を持ちかけている情報を指します。
ですので、未公開情報は相場に左右されることなく、売り手がYESと言えばその金額で決定させることができるのです。公開される前に情報を手に入れたい理由はここにあります。
ところが私が出会った未公開物件情報の多くは何かしらの条件付であることが多かったです。例えば、商売上の資金繰りで苦しくなったため、何月何日まで(結構無理な日時を指定される)にこの金額で買ってくれないかとか、今日中に物件を見に行かないと間に合わない(東京に住んでいるのに仙台の物件)とか、サラリーマン大家にはかなり苦しいことが多かったのです。
もちろん私は仕事に大きな影響がない限りは、腹痛だ頭痛だとか言って会社をサボり、物件を見に行ったり資金繰りに奔走したりとしてきました。
この無理な条件をクリアできると、物件をよい条件で手に入れることができる可能性が飛躍的に高まります。なにせ相手も何かに追い詰められているので急いでいるのですから。
◆有利な投資用物件の探し方4
有利な条件の未公開物件情報によくあるのが、弁護士絡みの任意売却物件になります。任意売却とは、物件を持っている人や企業が破産や倒産などの憂き目に会い、手持ちの物件を競売にかけられそうになった時、競売で買い叩かれるくらいであれば自発的に売却し、現金に換えようということです。
破産倒産は弁護士の専売特許なので、こういう民事に強い弁護士の元には結構おいしい物件情報が入ってくるそうです。私も一件、任意売却で購入したの物件を持っていますが、確かに物件本体は相当有利な条件で手に入れることができたと思います。この場合は相場が700-800万円の物件だったのですが、私は物件のみで400万円で購入しました。
※このような非常に好条件の物件を手に入れるにはいろいろと費用がかかるので、実際にかかったお金はもっとするのですが、帳簿上はこのくらい有利な条件でした。詳しくは別途書こうと思います。
どこでそんな弁護士にツテをつけるかというと、結構、金融機関の担当者がツテを持っているようです。私もさすがに直接弁護士とつながっているわけではないのでこの一件以外は買っていませんが、たまに不動産屋経由で任意売却の事案を目にすることがあります。
◆有利な投資用物件の探し方5
こう考えてみると、有利な未公開投資用物件情報を手に入れるために押えておくキーパーソンとして、売買に強い不動産業者、弁護士、金融機関の融資担当者、あとは物件を持っていてお金に困っている商売人でしょうか。どの人もなかなか直接知りえないと思いますが、うまくツテを頼って手繰っていく必要があると思います。
私の場合は仲の良い不動産業者や融資担当者と、食事を一緒にしたり(もちろんおごり)、パソコンを手伝ったり、見込み客を紹介したりなどのギブを欠かしません。帰りなどはタクシー代と言って1万円くらい渡すこともあります。貧乏な中、金もかかるし、古い接待手法かもしれませんが、これくらいしないと手間のかかる私のような客に未公開情報をわざわざ持ってきたりしないです。
未公開情報に出会う最大のポイントは「話の分かるやつ」になることだと思います。はっきり言って未公開物件情報はグレーな部分が多いです。情報の取次ぎをするだけの人が手数料を持っていったりします。もちろん人ツテで来る情報ですので、お礼も相当しなくてはいけません。このお礼や手数料というやつは、普通のサラリーマンなら肝を抜かれるほどの金額です。その金額を借金までして払える人は、「話のわかるやつ」と思われるのではないかと思います。
どこの業界でも同じだとは思いますが、いわゆるケチには情報が回ってこないようにできていると感じました。領収書をもらわずに捨て金をする度胸が必要かと思います。この業界の常識を書いている本は見たことありませんが、実際にやってみないとわからない真実です。
◆一般に流通している投資用物件の探し方
未公開情報が一番有利な投資用物件であるとお話しましたが、書いた通りかなり難しいということも然りです。なかなか数十万から百万円単位のお礼なんかできないと思います。そこまでリスクを負うことなく少しでも良い投資用物件に出会うためにはどうしたらいいかについても考えてみました。
未公開がダメなら公開情報しかありませんが、私が脳内投資をしていると、結構悪くないと思われる情報を見かけることがあります。公開情報にはいくつか段階があって、対象人数が多い順に並べると、インターネットに掲載されている情報、レインズなどの基本的に不動産業界に閉じている情報、地域の新聞に折り込まれているチラシ、業者が作成し近隣の他業者にFAXするマイソク(チラシ)、あとは不動産業者に持ち込まれてすぐのまだ広まっていない情報などです。
インターネットに掲載されているものについては、相場よりやや有利なものならみつかりますが、全方位的においしい物件はあまりないと思います。やはりどうしても多くの人に知られている物件は平均的かそれ以下のものが多いです。インターネット経由で探すべき物件は、ちょっと他の人が手を出さない物件の情報だと思います。
◆一般に流通している投資用物件の探し方2
インターネットに流通している物件で、少しでも良いものをと思って探しているのですが、例えば、ちょっと前、渋谷徒歩5分の30平米で1,000万円弱の物件がインターネットにあったのですが、当時、相場で言えば12万円くらいで借り手がつきそうだなと思いました。
ネットに載っている割には悪くない物件だと思いながら、試しに見に行ってみたのですが、そこはちょっと怪しいマンションで窓は南向きなものの、隣のビルとの境は数十センチでまったく光が入ってこない状態でした。
その物件の担当者も、いい条件なのでお客さんからの問い合わせが多いのですが、見に来て住めないという理由でみなさんお流れになっていますとのことでした。そりゃ周りがワンルーム風俗ばかりで光も入らない物件だったら普通は住みませんよね。
ところがこういう物件は意外と企業の倉庫としての需要があるようです。30平米の四角い部屋であれば相当のモノがおけますので、12万円くらい結構払ってくれるということです。他にも普通に風俗の業者に高い賃料で貸し出してもいいのですが、一応、マンションの規則でそういうことに利用しないことと書いているので、常識的に止めておいた方が良いと思います。
あまり例がなくて申し訳ないのですが、インターネットで物件を探す際には、こういう風にちょっと視点を変えて漁ると案外いいものが落ちているようです。
◆一般に流通している投資用物件の探し方3
私が出会った物件情報でちょっと面白かったのは、たまたま飲み会の待ち合わせでちょっと早くその駅についてしまったので、駅前不動産屋巡りをしている時に、確か三軒茶屋徒歩数分のところにある2Kで、数百万円というのがありました。ありえないくらい安い金額だったと思います。
あまり時間がなかったのですが、とても気になる物件だったので不動産屋のオヤジに聞いてみると、これは古くてエレベータのない建物で、物件は8階(くらい)にあり、階段で上り下りしなくてはいけないから手放すのだと言っていました。
今は5階以上の物件はエレベータをつけることが必要なので、こういうものはないのでしょうが、この物件は毎日8階まで階段はさすがに辛いだろうなということで見送りました。でも良く考えてみると、これはこれでかなり競争力のある賃料を設定できるので、安い物件を探している(且つ体力のある)人向けに買ってみても良かったかもと思っています。
実際に見に行っているわけではないので詳しいことはいえませんが、これも不動産屋に閉じた情報でしたので、見方を変えれば結構いい情報であったような気がします。
◆一般に流通している投資用物件の探し方4
もしもピンポイントな地域で物件を探しているのであれば、やはりその地域にある不動産屋に直接行かなければなりません。インターネットやその他の媒体で流通している情報は地域的に網羅度が低いです。つまり都市圏ばかりということです。
例えば、インターネットで私の実家の近所を調べてみるとあまり物件情報の数が載っていませんが、帰った時に駅前の不動産屋に寄ってみると(もはやクセですね)、結構手頃な情報が掲示されているように思えます。実家のような少し田舎だと、まだ投資熱が盛んでないようで、利回りの平均値が少々高いみたいです。
出張や旅行をした時などは、暇つぶしに不動産屋に入ってみるのもいいかと思います。特に投資用の物件は一般媒体への流通量が少ないため、昔ながらのやり方で売買が行われているみたいですね。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか?
いくつかいただいたご質問の中で、話や流れは良く分かったが実際に不動産屋など行ったこともないし、行っても何を聞いていいのかすら分からないというのが何件かありました。確かに最初の最初はそういう感じがするかもしれませんので、できるだけ具体的に私のやり方を書いてみたいと思います。
もちろんケースバイケースなのですが、私は趣味として不動産屋に飛び込みをすることが結構あります。飛び込もうとする不動産屋ですが、外から見て「賃貸中心のお店」と「売買中心のお店」というのがだいたいですが分かるので、投資用物件を探している私は売買中心の店に入ります。売買中心の店はお店の外側に貼ってある物件の紹介チラシ(マイソクという)の数で判断します。そのお店の近所の売買に関するチラシが多いようであれば、土地に根ざしたコネのある業者だと考えます。
不動産の紹介チラシ(マイソク)の見方ですが、まず賃貸募集が目的であるか、売買が目的であるかが分かります。あまりにも当たり前のことを書いていますが怒らないでくださいね。売買が目的であれば、だいたい数百万円から数千万円の金額が書いてあるはずです。当たり前ですよね、物件を売買するのですから。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか?2
更に投資用物件であれば、利回り○○%といった表記が書いてあることが多いです。書いてなくても想定賃料○○万円と書いてあります。そういったマイソク(不動産情報が書かれたチラシ)がたくさん掲示されている業者が良いと思います。私も不動産投資をするまでは、賃貸に強いとか売買に強いとか、そういうことすら知らなかったですので、念のために書いておきます。
投資の物件を探すにあたり、まずは相談できるということが意外に重要になります。これを判断するにはお店の雰囲気と店員を見ます。この業界は往々にしてシロウトとお金や条件の悪い客に横柄(だと感じる)なので、まずは暖かく話を聞いてくれるかどうかがとても重要なのです。
いきなり飛び込んでよい条件の物件が出てくることはまずありません。総ての基本ですが、話をしていく中で信頼関係を築いて、少しづつ引き出していく必要があります。
ここでも少し具体的に書きますと、お店の外側に張り出しているマイソクを眺めて、まあそこそこ話になりそうな物件を探します。あまり普通な物件で普通に相場くらいの物件ではなく、ちょっと面白い物件だと話がはずみやすいと思います。以前書いたような、何か質問することのできるものだと良いと思います。
「こんにちは、外に張り出してあるこの物件なんだけど、なんで○○なの?(上の例では「なんでこんなに安いの?」と聞きました。回答は「8階エレベータなしだから」でした)」といった感じで質問から入ると、ちょっと相手も慣れた客だと思ってくれるような気がします。この業界の”慣れた客=横柄な態度は取りにくい”の法則です。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか3?
外に張り出してある気になる物件について軽く質問をすると、だいたい「何か投資物件をお探しですか」と聞いてきますので、いくつか物件を持っていて、いいのがあったら買いたいと思っているといった感じで進めるといいと思います。
物件をお持ちでない方は、ぼくは始めのうちに使っていた、「親父がアパートを持っていて、自分に任されている」というようなことを言えれば良いかと思います。とにかく自分は根っからのシロウトというわけではないことをさりげなく伝えてください。これでひとつボーダーをクリアです。
始めての物件を探してますというと、多くの店で完全になめられますので、ここは要注意です。
「なにか面白い物件ないですかねぇ、この付近は前から狙っていたんですよ。」とか言いながら、お茶などいただき、おもむろに出されたマイソクをパラパラしていきます。ここで本当に自分が探している物件の条件をシレっと披露します。例えば私の例だと「ここは実家が近いので、定年した親が趣味で管理できるような規模で徒歩圏内のアパートがあるといいなぁ」などといったちょっとリアルな話だと良いですね。(私の場合は実話です)
◆実際に不動産屋でどのような話をするか4?
予算や頭金などの具体的な条件は適当にはぐらかしておいてください。マイソクの中から、まあ近いなというようなものを数枚ピックアップして、この物件はいいけど高いとか、ここが気に入らないなど、あまり生意気にならない程度に独り言をいいます。
真剣な不動産屋さんであれば、少しでも条件を詰めようと努力してくれますので、値切るように売主に相談してくれたり、最高のケースだと、まだ値段を決めていない持ち込まれた直後の物件があるのですが…とか言って、メモ書き程度の物件資料を出してきてくれたりします。
この持ち込まれた直後で公開されていない物件がおいしい可能性が高いのです。経験的にも稀なケースですが、ゼロではありません。私の場合は資金的な都合で購入には至りませんでしたが、頭金が十分にあれば買っていたかもしれないと思います。
そんなこんなの話をして、興味がある物件があれば実際に見せてもらえばよいですし、こんな物件があれば声かけてとか伝えて帰っても良いですし。とにかく店の買いそうな客リストに載れるように頑張ってみて下さい。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか5?
当たり前のことなのですが、経験の浅い買い手が意外と分かっていないポイントをひとつお教えします。どんなビジネスでもそうかもしれませんが、それは情報を持っている業者と持っていない業者があるということです。
それらは外から見るとあまり差は分からないのですが、業者の中には2種類いて、ひとつは他の業者から自動的に流れてくる売買や賃貸の情報について客付けをするだけの業者と、もうひとつは自ら情報を開拓し、他の業者に流す業者です。
前者は既に流通に載っている物件情報に客付けするだけですので、はっきり言っておいしい情報は出てきません。賃貸にしても大家とつながっていないため、その業者に交渉してもあまり効果はありません。売買ではなおのことですよね。今の時代では、われわれがインターネット上で得られる情報と大差がないということです。
一方、後者は自ら売主や大家とつながっているため、価格決定に大きな裁量を持っており、いわゆる市場に出回る前の情報を持っている業者です。その業者と仲良くなっておけばわれわれ一般人もその恩恵に預かれる可能性が高いと思います。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか6?
自ら物件情報を開拓する業者は、まず自らの手元でおいしい情報を裁き、裁ききれない情報のみを一般のデータベースに開放(他の業者に客付けを公募で依頼)します。なぜかというと、例えば仲介手数料で考えてみると、
□売りたい客
↓
□元付け業者(自ら物件情報を開拓する業者)
↓
□客付け業者(他から回ってくる物件情報に客をつけるだけの業者)
↓
□買いたい客
というように業者を2社かませる流れが一般的です。これが元付け業者が客付け業者を兼ねた場合の仲介手数料は
□売りたい客
↓
□元付け兼客付け業者
↓
□買いたい客
というように、売り手と買い手の両方から手数料をもらうことができるのです。つまりひとつの案件で2倍の収入が得られるというわけです。
よって、おいしい情報というものは、元付けの手元で処理されることが多く、ほとんど一般に流通しないのです。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか7?
また、元付け業者に客から持ち込まれた物件の売却情報については、たまに市場価格よりも圧倒的に安い条件であることがあります。こういう場合、元付け業者は自らその物件を購入し、それを市場価格に近い金額まで利益を乗せて自らが保有する物件として一般に売却することも多いです。
圧倒的に安い条件で持ち込まれる理由はいろいろあるのですが、例えば競売にかけられる寸前に少しでもマシな条件で自発的に売却するため、市場価格よりも少しくらい安くていいから早く売り切りたいと思っている場合や、数十年前に購入したか相続した物件で売主がまったく市場価格を理解していない場合などがあるようです。
◆実際に不動産屋でどのような話をするか8?
とにかく自ら物件情報を開拓する業者(元付け業者)は、価格についての融通を持っている場合が多いのです。情報のあるなしだけで不動産物件の価格にはひずみが生じます。われわれはこういう裁定取引のような状況があることを理解しておく必要があります。
市場のひずみがあることを理解したら話は早いですよね。そういう物件情報を自ら開拓する数が多い業者と深い付き合いをすると良い物件に出会える可能性が高まると思うのです。私はこの当たり前のことにたどり着くまで1年かかりました。運よくそういう業者に出会うことができたら、何回も顔を出して常連(?)になることが早道かと思います。
客付けだけをする業者と深い付き合いをしても、いわゆるおいしい物件情報には出会えません。それくらいならインターネットで十分対応できると思います。
◆物件の調査について
前にもちょこっと書きましたが、購入しようと思う物件について、いろいろと調査をしなくてはいけません。やはり何千万円も投入するので、購入前にしっかりと調べたいと思います。
われわれ一般サラリーマンが物件を購入する場合、価格も安くて、築浅で、場所も良くて物件もいいものなど、なかなかお目にかかることができません。当たり前ですが条件がよければ必ず高いものですよね。投資用物件を調査する際のポイントは、どの部分を譲ってもよいかをよく考えることだと思います。
例えば、中古区分所有マンションであれば、管理や住民の質が良くて、骨太のしっかりした部屋であれば、少々内装が汚かったとしてもちょっとしたリフォームで優良物件に生まれ変わる可能性があります。一方、リフォームで見た目が綺麗だったとしても、構造に問題があったりすると長期間保有するのに適していない可能性が高いです。
しかし、少々構造的に不安があってもめちゃくちゃ安かったら、数年で元が取れるので、それはそれで割り切って手に入れるという考え方もあります。
物件の調査はこのようにいろいろな視点から検討をしなくてはいけないので、たくさんの物件を見て、脳内投資(シュミレーション)を繰り返すことで経験を踏まないといけないのです。私もまだまだ数が少ないので、もっと物件を見て経験を積もうと思います。
◆物件の調査について2
では、どういう視点から物件を調査すればよいでしょうか?パッと思いつく限りでは、やはり投資なので、計算上お金がうまく回るかどうかを考える必要があります。何件か経営してみると分かりますが、意外と多くの予想外の出費があることに気がつかされます。金利や税金はもちろんのこと、共用電気代や物件の水漏れなどの修理代、風が吹けば壁がはがれたりする補修、夏場なら草むしりの手間賃など、枚挙に暇がありません。
ですので、はっきりいって場所次第ですが最悪の場合、空室リスクを15%くらいと見積もって、それに加えて5〜10%くらいの余分な出費を見たほうが良いかと思います。当然鉄筋マンションよりも木造アパートの方が出費は多いです。シロアリ対策などは本当にお金がかかります。すぐに100万円くらいは飛んで行ってしまいます。この年のこの物件はかなりの赤字が発生しました。
※かなり過激に書いていますが、物件によってはこんな感じです。区分所有のマンションはまた別ですが。
修理などの緊急の対策はやはり無担保ローンカード(いいカードは左側で紹介しています)が役に立ちます。数十万円くらいであれば、生活費に影響なく修理費を出すことができるからです。持っているだけでも自分用のプチ銀行的に使えるので、不動産投資をする上では重宝することでしょう。不動産は換金に時間がかかる投資(=流動性が低い)です。何があってもとりあえずは難をしのげるように、私は融資枠だけはたくさん持っています。10枚くらい持っていますね。
◆物件の調査について3
購入しようと思っている物件のお金的なシュミレーションが済んだら、物件個々の個性を調べます。私は、マイソク(物件が紹介されているチラシ)で書かれている住所をインターネットで調べ、物件の所在地図を印刷します。良く知らない土地であればだいたい縮尺を3通りくらい用意し、そこがどういう地域かを調べます。
まずはマクロな調査をします。買おうと思っている物件が価格競争力が高いアパートなどであれば、周りにちょっとした大学や工場などがあると空室リスクは低くなると思います。地方であってもコア都市から数駅以内であれば、ベッドタウンとしてニーズが高いです。オーナーチェンジ物件であれば、既に入居している方がどこに勤めているかなどがわかるとその物件のニーズの参考になります。
また、その物件がある土地そのもの価値を知る必要がある(特にアパートなど一棟もの)ので、ちょっと心配な場合はそこの路線価を調べることで、もしもその物件をつぶして空き地として売却した場合、いくら手元に残るかを調査します。このサイトで路線価を知り、それに物件の広さをかけることでだいたいの基準価値を知ることができます。さもなければ投資物件がたくさん掲載されているサイトなどで似たような物件と比較するといいと思います。
◆物件の調査について4
物件のマクロな調査をすることは、投資の出口戦略を考える上でも参考になります。出口戦略とはその物件を購入して最終的にはどうするかということです。例えば、物件を10年くらいのローンで購入し、10年後、その物件を手放すとします。そうした時にもしもこの物件が減価償却期間を過ぎるか、期間の残りが少なかった場合、次の人はこの物件を購入するためにローンを組みにくくなります。銀行は基本的に残存減価償却期間内でローンを組ませるようです。
※減価償却期間とは、その物件の耐用年数というものが物件の個性を問わず一律に法律で決められていて、例えば鉄筋だと47年間、木造アパートだと27年間(住宅の場合)などになります。新築であれば購入した金額をその法定期間内に渡って費用計上することができる制度です。例えば3,000万円(購入経費込)で購入した築15年の中古で木造アパートであれば、購入金額3,000万円から残存価格(10%)を引いた金額÷(法定耐用年数27年−築年数15年)で、毎年250万弱円づつ経費として計上することができます。ですので、お金が儲かって仕方ない優雅な人の場合、減価償却期間が少ししか残っていない古い木造アパートを購入し、例えば年間数千万円くらい減価償却を計上することで、わざとその物件を赤字化し、支払う税金を少なくさせるということが可能になります。
もしも10年後、物件をつぶして更地で手放す場合は路線化がひびいてきます。もちろん10年後の路線化など分かりませんが、おおよその参考にはなると思います。
◆物件の調査について5
ともあれ、やはりなるべく良い地域で、土地そのものの価値が高いモノを買いたいですよね。どんなに安くても数年後売却に困ってしまうような物件や、空室リスクが高いと思われる地域の物件はちょっと避けた方がいいかもしれません。空室は、物件の良し悪しももちろん関係ありますが、もっとマクロな需給の方が大きく関連しているように思えます。
田舎の空港や電車の車両基地など、繁華街でもないくせに騒音がうるさい地域は、土地自体が微妙に敬遠されると思います。また、そばに葬儀場や化学工場の臭いがする地域も嫌われますよね。そうするとどんなに物件の利回りが良くても、その地域に住もうとするお客さんの絶対数が減ってしまうわけです。
ところが物件のすぐ裏が畑ばかりだという場合などは、案外数年後に大化けすることがあります。私のアパートもそうでしたが、購入した当時はそのアパートの一帯は畑や雑木林ばかりでしたが、数年もすると一大住宅地となっていて、気がついたら路線化が上がっていたということがありました。
不確実ではありますが、今は土地の価値が低いものの将来にかけてみるという手もあるかもしれません。
◆物件の調査について6
物件のマクロな調査がクリアできたら、次はようやく物件個々のミクロな価値を調査していきます。私が一番好きな瞬間なのですが、物件を見に行く時はできるだけ太陽が十分出ている時間に行くことにしています。不動産投資をファンドのように数値だけで見るのは危険です。やはり人が住むものですから、できるだけ好感の持てるものを選ぶべきです。
物件は必ず駅から自分の足で歩いてみます。クルマで行く物件の場合も生活している人がしているのと同じように体験してみてください。そうすることで住む人の立場から物件を見ることができ、また物件のある街の価値を知ることができます。側にコンビニがあるなとか、スーパーは駅の反対側だから面倒だなとか、商店街が活気があっていいなとか、実際に住むつもりで物件まで歩いていきたいです。
女性の場合は人通りなどが重要になるそうです。私は男なので気がつきにくいですが、街灯の明るさや空き地の有無など、夜道を一人で歩けるかどうかは物件選択の重要なポイントです。概して女性の方が優良な入居者となることが多いので、できるだけそういう物件を選びたいと思います。
◆物件の調査について7
物件に到着したら、その物件に出会った瞬間の印象をよく感じてみてください。なんだかスピリチュアルな感じの話ですが、第一印象は入居者が物件を選ぶに当たって重要な要素です。パッと見、好きか嫌いかでまずは判断してください。嫌いな場合は嫌いなところが直せそうかどうかを検討します。直せる要素は例えばゴミが散らかっていて汚いだとか、壁がところどころ剥がれていて見た目が怖い、またはヤブがボウボウでうっそうとしているなどです。
こういうところが改善されたら好きになれそうな場合は全然気にしなくて結構です。むしろそういうところを突いて、安く買い叩く材料になります。よく言われる例ですが、本当は美人なのに化粧が下手で不細工になっているような物件ならOKということです。買ってからじっくり化粧すればいいのです。
直しようがない、つまり選ぶべきではない悪い印象とは、言葉にしにくいですが、なぜか分からないが陰気な印象を受ける物件や他の物件に邪魔されてやたらと暗いもの、隣の物件の窓と直面しているものなどです。要は自分が住みにくいと感じるものは、だいたい多くの人も住みにくいと感じるものなので、単純に避けるべきだということです。自分の「カン」は信じてよいと思います。
◆物件の調査について8
物件を一回りしてみて、「ああ、一通り掃除した方がいいな」とか「階段のタイルが剥がれて危ないから修理が必要だな」など考えながら見て行きます。植栽などは管理が面倒なのでいっそのことばっさりと切ってしまった方がよいと思います。
外回りを見る際には、手すりや壁などの建て付けを調べます。そこでグラグラするようなものであれば、木造であれば中の木が腐っていることもあります。今の物件は壁などがサイディングというプラスチック製などの板でできているので、木などの構造体が見えない造りが多いです。ちゃんと中身もチェックするようにしましょう。
区分所有のマンションなどであっても、その物件が地盤沈下していないかどうかをエントランス辺りでだいたい知ることができます。エントランスのコンクリートと、道路や土地との境目をチェックすると、ヒビが入っていたり施工時の位置とずれているのが分かる時があります。何回かこういう物件を見たことがあるのですが、不動産屋が止めておいた方がいいとアドバイスをくれました。
鉄筋コンクリートの物件であれば、コンクリートに発生するヒビ(=クラック)などもチェックポイントになります。埋めてあったとしても派手に修理した後があるのもちょっと不安です。マンションの大規模修理は住人全体の4/5以上の賛成が必要になり、非常に難しいと言われています。構造そのものがしっかりしているものでないと、長期間保有するのは危険だと思います。
◆物件の調査について9
では、実際に部屋の中に入ってみたいと思います。とは言うものの、オーナーチェンジ物件の場合は中に入ることができないケースが多いのですが…。運良く部屋に入れたら、部屋に入ってすぐの印象をチェックします。陰気で鬱陶しい印象はないか、手に負えないくらいの汚らしさではないか、特に水周りにこびり付いたサビなどの汚れなどは落としにくいので注意が必要です。
そして臭いをチェックします。人が長く住んでいないと水を流さないので下水管の水が乾燥し、下水直接の臭いがすることがありますが、これは水を流せばなくなるので問題ありません。どちらかというとカビのような臭いの方を心配するべきです。
これは物件の一番の脅威である水漏れや、温度差による結露、風通しの悪さなどが影響しています。こういうのはなかなか直すことができない上に、修理にもかなりのお金がかかりますので、用心が必要だと思います。
◆物件の調査について10
部屋を満遍なくゆっくり歩いてみて、なにやらブカブカした感じがするところはありませんか?またはフローリングであれば軋みなどはありませんか?そういう部分がある物件はちょっと注意してください。ちょっとした修理で直るものがほとんどだと思いますが、物件を見る際は、少しの異常を見落とさないようにしてください。(あまり厳しく査定しすぎても良くありませんが、せめて納得いってから購入しましょう)
ブカブカしている理由がカーペットをくっつけている接着剤が剥がれているだけなら全然問題ありません。しかし、その下が腐っていたり、フローリングを安く修理したのを隠すためにカーペットを敷いているだけの場合があります。こういう場合は必ず売り手側に質問するようにしてください。
フローリングの軋みはどうしようもない時もありますが、数箇所で発生している場合はやはり確認するようにしてください。シロアリが原因の場合もありますし、結露により腐っている場合もあります。単純に住んでいる人が気になるので、できれば修復した方が良いです。
あとは、床の傷。床の傷や家具を置いた跡などは前の人の生活感を感じさせるものなので、できるだけ丁寧に修理するべきです。クッションフロアなどであれば修理が難しい上に大して金額もかからないので、いっそのこと張り替えてしまった方が安いです。フローリングであれば、ちょっと削ってワックスがけすることでかなり新しい印象に戻ります。
◆物件の調査について11
付属設備の点検も欠かせない要素です。家には多くの電気やガスなどの設備があります。必ず総てON/OFFしてみるようにしてください。意外とエアコンがつかなかったり、給湯器が故障しているなどの欠陥が見つかったりします(なんとなくですが、人が長く住んでいなかった部屋には故障が多いことが多い気がします)。
部屋に入るなり、まずはブレーカーを上げて全部のスイッチをつけてみます。換気扇などももちろん回してみます。エアコンも全開でONにしてみます。お湯はガスが止まっていると思うので出てきませんが、少なくとも電源がちゃんと点くかどうかは調べるべきです。
エアコンは例えば夏なら全開で冷房をかけてみて臭いをチェックします。カビっぽかったら1.5万円コースのエアコン洗浄になりますし、室外機までのホースをチェックしてみて水漏れなどがあれば数千円から数万円までの修理、もしくは10万円程度の全交換ということになります。設備は意外とお金がかかるのです。
◆物件の調査について12
物件に備え付けの設備が壊れた場合、故意過失でなければ修理は総て大家が負担することになります。ですので大家さんによっては、設備をなるべく付属させないようにしている方もいらっしゃるようです。設備とは例えばガス台、照明器具、エアコン、ミニ冷蔵庫などです。
但し、設備はつけておいた方が入居者は決めやすいと思います。ですがミニ冷蔵庫などは故障すると交換に数万円かかるので家賃の1か月分くらいは軽く飛んでしまいます。そこらへんはトレードオフですので、物件を購入する際にも一応総て確認をしておくべきなのです。
あと、修理でお金がかかるのは給湯器です。これも数万円以上しますので、管理会社から故障の報告が来るといくらかかるのかとドキドキします。しかもすぐに修理しないと入居者に迷惑がかかるので、手持ちの現金が少ないと焦ります。これもまた無担保ローンカードで乗り切ることが多いですね。(借金を減らすために基本的に手持ち現金を少なくてしているので)
◆物件の調査について13
他には壁を良く見てみましょう。実際に押してみます。壁もところどころ変色していたりブカブカしているところがあれば要注意です。これも結露などによるカビや腐食の可能性があります。業者に確認してもらった方が無難です。単に冷蔵庫からでるススのようなものによる汚れであれば問題ありません。ポスターなどを貼ってタバコを吸った時は、ポスターを剥がすと四角い跡が残ります。こういうのも前の人の生活感を感じさせるので嫌われます。
このような状態の壁であればいっそのこと張り替えてしまうのが得策です。当然モノによりますが、だいたい一部屋6万円くらいで貼り替え可能です。汚い部屋だとなかなか入居者が決まらなくて苦しいので、購入する際にリフォームを要求するか、買ってからリフォームしていくといいでしょう。
張り替える時の壁紙ですが、工務店からいろいろと勧められることもあるかと思います。経験から言って、はっきりいって一番安い白の壁紙で十分です。高級な壁紙を貼っても入居者はその価値に気がつきません。どうせなら安い壁紙をガンガン張り替えていった方が効率的です。高級物件なら別ですが…。
◆物件の調査について14
あと気をつけないといけないことは建て付けの類です。もちろん玄関のドアもそうですが、ロッカーやクローゼット、押入れ類のドア、洗面所や風呂、トイレのドア、ベランダの引き戸や網戸、台所の収納ドアなど、可動部分は総て建て付けを調べてください。
軋みがあったり、不可解な傷がついている、ドアを閉めた時に上下の隙間が違う、引き戸なら滑りが悪いなど、建て付けが悪いと生活する上で何かと気になるものです。もちろん下の階の住民に音で迷惑をかけることもありますし、微妙に生活者にストレスを与えるものだと思います。
建て付けの不具合は購入時に一括して修理してもらうようにして下さい。建て付けの修理はあまりお金がかからないので、ちょっとした大工であれば簡単に直してしまいます。自前で直す場合は市役所などに登録されているシルバー人材センターのようなところから大工を派遣してもらうと良いでしょう。これは実費と時給程度でお年寄りの技術を活用しようという制度で、だいたいどこの自治体でも用意されていると思います。
ちょっとの手間で気持ちよく生活してもらえれば大家冥利に尽きますよね。
◆物件の調査について15
また、気がつきにくいところですが、窓際で直射日光が当たる部分に木枠を使っているようなちょっと古い建物の場合、そこの部分のペンキが剥がれていることがあります。なんとなくザラっとした感じで、パリパリと手でペンキを剥がせる感じです。
また、直射日光が長く当たっているフローリングの床もメンテナンスをしていないと表面がザラザラしてきて、肌触りがあまりよくなくなってきます。
このような場合はやはりペンキやニスなどの塗りなおしになってきます。私自身で施工をやったことはありませんが、工務店などだと簡単にやってのけてしまうとのことですので、何かの修理のついでにでも依頼すると良いと思います。
特にフローリングは入居者が入っている間はメンテナンスがしにくいので、物件購入時や入居者の退去時などにまとめて実施すると良いと思います。案外お金もかかりません。
◆物件の調査について16
部屋の調査ですが、窓を開けてみて風通りは良いでしょうか?また、太陽は良く入ってくるでしょうか?誰もがそうだと思いますが、明るくて爽やかな部屋は人気があります。つまり入居者が決めてくれやすく、空室リスクが低いということです。
アパートなどだと隣の部屋との壁が薄くて、生活音が聞こえてくるのもマイナスになります。道路に近くて年中クルマの音が聞こえてきたり、そばに居酒屋などがあり夜な夜な酔っ払いが大騒ぎしているなども、ストレスになると思います。私は軍の飛行機の通り道にアパートを持っていますが、これは昼でもうるさいと感じます。音は意外に日常的に受ける影響ですので、一応確認しておくと良いと思います。
このように生理的に感じる物件の良し悪しは説明するのも難しいですし、人によって感じ方が異なるものなので一概に言えませんが、この「感覚」みたいなものはすごく大事だと思います。物件のスペックも大事ですが、やはり最終的に入居者が物件を決めるのは、ここで長く住んでもよいという相性のようなものだと思うからです。
◆物件の調査について17
私は比較的都会の部類に住んでいまして、持っている物件もいわゆる電車圏内の物件ばかりですが、先日、すごく利回りの良い物件に出会いました。ところがこの物件はかなり田舎の物件で、駅からも遠いですし、広さの割りに家賃も安いように思え、マイソクで見る限り、利回り以外の良い点はあまりありませんでした。
しかしよくよく同じようなほかの物件を調べてみたり、地元の業者の話を聞いてみたりすると、私が普段思っている常識とはだいぶ異なることが分かってきました。以下は雑感なので違うという話があればご指摘ください。あと、当たり前だと思われてもそこらへんはご勘弁ください。
田舎の生活というのは、どうやら電車社会とは異なりクルマ中心の生活になるようです。考えてみれば当たり前のように思えますが、駅から徒歩30分とか、スーパーまで徒歩で行けないなど、一都三県ではかなりのマイナス評価となる物件が、田舎では十分な駐車スペースがあるというだけでチャラになるということです。
確かにその物件も、アパートの部屋数を超える駐車スペースが確保されていました。クルマでは5分も10分もあまり関係がないような話でした。都会の常識だけで判断してはいけないという教訓となりました。
◆物件の調査について18
これも同じ田舎のアパートの話ですが、マイソク上、エアコンが完備されていませんでしたので、ここも指摘したところ、そもそもこの地域は東京と異なり涼しい地域なので、エアコンを設置している家庭はむしろ少ないとのことでした。
最近流行の外断熱の一戸建てではエアコンが着くようですが、一般的な住居やアパートなどではエアコンは使わず夏は扇風機程度、冬はエアコンが効かないので石油ストーブなどで凌ぐとのことでした。
また、敷金礼金の考え方も違うようで、この地域ではだいたい敷金2ヶ月、礼金なしというのが標準になっているようです。東京では礼金をなくすことが競争力アップにつながるのですが、この地域では礼金などそもそも取らないのが普通だとのことでした。購入するなら他の競争力アップの方法を考えなければいけないと思いました。
このように地域によってだいぶ常識が異なるということが分かりました。物件の調査段階で学ぶことはいまだに多く、やはり現場に何回も足を運び、地域に合わせた物件の見方をしなくてはならないと痛感した次第です。